子が大学に進学した場合の養育費

養育費は、一般に20歳までと定めることが多いと思います。
しかし、子が大学に進んだ場合、学費もかかりますし、20歳を超えても子は自分で十分な生活費を得ることが難しいことが多いでしょう。

養育費を20歳までとした場合であっても、子が大学進学を父(ここでは、母が親権者・監護権者であると仮定します)に相談し、父も同意した場合、比較的、大学卒業まで養育費を延長する話し合いはまとまりやすいと思います。
親権を取らなかった親と子の交流が円滑に行われ、離れて暮らしても学業の状況や将来の希望を説明してきた場合、子の受験を応援し、子の合格を喜んでくれる親が多いように感じます。
しかし、離婚後に離れて暮らす親子の交流がうまくいく場合ばかりではありません。

平成22年7月30日の東京高等裁判所の決定の概略を説明します。

これは、4年制大学に進学した成人した子からの扶養義務の請求を、一定の範囲で認めた決定です。
この事案でも原審の認定によると父と子は離婚後没交渉であったようです。

まず、前提として、親が子の面倒を見る義務は子が未成年の場合と成人の場合では違うといわれています。
未成年の子に対する親の扶養義務は、自分の生活を保持するのと同程度の生活を保持させる義務といわれています。
これは、自分の生活にゆとりがなくても扶養義務が発生するという厳しい義務です。
しかし、成人した子に対する扶養義務は、自分の生活を犠牲にしない限度で、被扶養者の最低限の生活扶助を行う義務といわれています。
未成年の場合より緩和されています。

この決定は、親が青年に達した子が受ける大学教育のための費用を負担すべきとは直ちにはいいがたいとしています。
しかし、大学進学率が高まり、大学で教育を受けたかどうかが就職・賃金に影響する現実のもと、子が大学に進学した上、勉学を優先し、その反面として学費生活費が不足している場合、諸般の事情をもとに協議をし、調わなければ家庭裁判所がこれを定めるとしています。
その上で、当該事案では、父親の学歴や子の成績から大学進学が予想されていたこと、同居親である母の収入だけでは困難なこと、相手方の収入見込み、相手方が話し合いであれば一定額の支払いに応じると述べていることなどの事情を考慮して、一定額の支払いを父に命じました。

ところで、上記決定の下級審である家庭裁判所では、子からの申し立てを認めませんでした。
また、上記決定では、かなり詳しく本件事案の事実を検討しています。
つまり、この決定をもって当然に認められるという訳ではなく、具体的な事情によるということになると思います。

しかし、どういう点を裁判所は検討するのかの一つの参考になる決定だと思われます。

 

 

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