医療を受ける子ども

今年(平成28年)の9月に栃木県で行われた、医療を受ける子どもの権利のシンポジウムに準備段階から参加しましたので、今回はそれについてお話しします。

怪我や病気で入院をしている子どもたち、退院しても自宅療養が必要な子どもたち、慢性疾患で入退院を繰り返している子どもたちがいます。
そのような、医療を受けている子どもたちがどのような問題を抱えているかを、このシンポジウムの準備を始めるまで私は知りませんでした。

子どもたちの病気や怪我については、医療従事者が真摯に対応してくださっています。

子どもが成長発達するためには、勉強や遊び、親や友達との関わりが必要であることは皆が理解しているところです。

しかし、病気の治療中は、それに専念して、勉強や遊びは治ってからでいい。
そういった考えが、一般的ではないかと思います。

でも、今は入院などをして治療を受けている子どもたちも、いずれは成長し、自立しなければなりません。
治療は落ち着いても、自宅療養中の子も、1日1日大人に近づいていきます。
いずれは、ライフステージに合った活動をしていくことになります。
子ども達は、待ったなしで成長しているのです。
子ども達が遊ぶことは、成長発達のために大きな意味があることです。
子どもが成長発達に合った遊びをする環境は、医療環境下でも必要なのではないでしょうか。
また、乳児期の子どもは親と密な関係を築くことが成長発達に必要です。
しかし、入院中は、病院によっては親との面会時間にかなり厳しい制限があります。
短時間の親との面会で、子どもが必要な発達が確保できるでしょうか。
他方で面会時間の制限を設けずに、親に関しては24時間面会が可能な病院もあります。
どうして、面会時間の制限があったりなかったりするのでしょうか。
親を求める子どもと子と会いたい親を「会わせない」のには、もちろん、医療側の理由があります。
午前中は検査や処置をするから、夜間は保安上の理由など・・・
子どもが親と関わるというのは、切実な欲求だと思います。
どこまで配慮が必要でしょうか。
そして、それは、法的な権利と言えるのでしょうか。

さらに、医療の内容について、医療機関では、親には十分な説明をして、同意を取っています。
では、子どもに対しては、説明の必要はないのでしょうか。
子どもの理解度は、年齢によって異なります。
突然大人になるわけではなく、少しずつ、治療や検査の目的や内容を理解するようになります。
何歳になったら、子どもにも説明が必要でしょうか。
子どもは医療行為に同意することができるのでしょうか。
子どもに分かりやすく説明するという手間がかかることを、ただでさえ忙しい医療従事者に強いることができるでしょうか。
子どもに説明を行うなど、子どもの発達をよく知る専門家を置くことができるでしょうか。

医療を受けている子どもが、成長発達していくために、将来自立していくために、何ができるのか、何をすべきか。

子どもの権利を守ることは、浸透してきている考えだと思います。
また、患者さんの権利を守らなければならないということも、法曹界では検討が進んでいます。
しかし、子どもの患者の権利ということになると、権利の狭間に落ちてしまいがちであるということを、シンポジウムの準備を通じてしりました。

今回の問題についての解決策を十分持っているわけではありません。
しかし、今後も、この問題も含めた子どもに関する問題点については、考え続けていきたいと思います。

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